Photo:IKEDA Masanori
長家:今日イケちゃんのスタジオに来て思ったけど
やっぱりこういう空間にいると発想ってすごく出るんだと
思うんですよ。我々もね同じなんですよ。
(注:イケチャン=今回撮影してくれた写真家の池田晶紀さん)
タナカ:頭脳労働ですもんね。
長家:なんかさ、イケちゃんが写真とっててもね
すごいこう被写体と対話してるでしょう?
タナカ:うん。
長家:こうやって対話することによって引き出してるじゃないですか
その人を。
タナカ:そうですね。
長家:これってぼくらの仕事に似てると思う。
タナカ:そうかも。
長家:ぼくらだって、お客さんは鎧つけてくるんですよ
言いたくないこと相談しにくるわけですから。
タナカ:うん。
長家:有利になるにはこう言ったほうがいいっていうのを考えて。
タナカ:なるほど。
長家:それを、いろいろやりとりしながら
だんだん脱がしていくみたいなね。
で、ほんとの大事なことなんなのかっていうのを
発見していくっていうのが1番大事なんですよ。
同じだと思うんだよね。見てて。
タナカ:そうですね。
長家:いいとこ引き出してあげるっていう。
タナカ:じゃあほんとうはサウナとかでやるといいですよね。
長家:いいかもしんないですよ。ほんとに
タナカ:ねえ。お客さんとね。最初からまず全裸でね。
長家:あのねリラックスしてもらうっていうのが一番大事で
みんな堅くなって来ててもうまく引き出せない。
だから笑えるような話をしていくうちにだんだんほぐれてきて
「いや実際こうなんですよ」みたいな話になって。
「なんだ。もっと早く言えばいいのに」みたいなね。
そういう話の展開になることよくある。
タナカ:じゃあそういう意味じゃお客さんとうちとけすぎて
友達になってしまうとかないんですか?
長家:ふふふふ。ある。
タナカ:あるんですね。
長家:やっぱりすごく合う人とは、だんだん友達なんだか客なんだか
わかんなくなって。
タナカ:結局友達同士遊びに行って、なんの話やったっけみたいな。
長家:ははははは。
タナカ:何にも解決してないみたいな。
長家:でもそこは気をつけないといけないんですけどね。
カメラマンがモデルとできちゃったらダメみたいなね。
それと同じかもしれないんですけど。
タナカ:ちなみにイケちゃんはヌードすごい苦手なんですよ。
長家:苦手そう(笑)
タナカ:心は脱がそうとするんですけど衣類を脱がせられなくて。
長家:ああ、なるほどね(笑)
わかるような気がする。
タナカ:そっちらしいですよ。
長家:だからそうやってね、コミュニケーションをするってことが
すごく大事な仕事だと思うんですよ。
タナカ:じゃあ弁護士ってのはどっちかっていうとすごく人間的な…。
とにかくトークが大事なんですね。
長家:そうそう対話。
法律がねどうなっててね
なんとかの法律が何条に書いてあるとか
そんなのはあんまり大事じゃないんですよ実は。
そんなことじゃなくて事実がどうなのかと。
タナカ:なるほど。
長家:実際どうなのと。なんでもめてんのと。
なんで困ってるのっていうところを
きちんと把握してあげるところが大事。
タナカ:なるほどね。かなりカウンセリングの要素がありますね。
長家:そうそう、そうなんですよ。
弁護士ってコミュニケーションとることがすごく大事なんですよね。
それとね、バランス感覚もすごく大事なんですよ。
常識的に正しいことってなんだろうっていうところが
バランスよくできることがすごく大事なんですけど。
そういうことがねなんか向いてるなって思いますよ。自分がね。
タナカ:じゃあ東大に落ちたっていうところで
もし東大に受かってたら偏った人になってたかもしれませんね。
長家:いやもう東大受かってたら大蔵省行って
ノーパンしゃぶしゃぶ行って、なんかこう天下りして
幸せな人生だったと思うですけどね(笑)
タナカ:それはそれでね。偏ったなりにね。
長家:そうそう(笑)
でもフィンランドには行ってないと思います。
そういう意味じゃこっちに逸れて幸せだったというね。
タナカ:そうですよね。そこでバランス感覚が身についたと。
長家:それにやっぱり弁護士っていう仕事をしてるから
さっきの話じゃないけどわりと自由がきくところがあるし
こうやっていろんな人と知り合えるきっかけが
いっぱいあるじゃないですか
タナカ:いろんな人がいすぎですけどね。
長家:それはつくづく良かったなって思いますね。
そこが一番ね。
タナカ:いやー、なんかこういう話ってサウナ内で
あんまり聞けないじゃないですか?
長家:そうですよね。
タナカ:初めてトントン先生がほんまに弁護士なんやなって
確認しました。(笑) 続きを読む >>