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HOME>対談>なんで弁護士になったの?

タナカカツキさんとは共通の趣味「サウナ」を通じて知り合いました。

サウナって暗くて妖しい世界だとおもっている方も多いと思いますが、

実は汗を流しながら自己を見つめ、自然と一体化する素晴らしい趣味なんです。

(この話をすると誌面がたりませんので割愛します。詳しくは直接お聞きくださいませ。)

カツキさんはサウナに関する名著『サ道』の作者でもあり、日本サウナ・スパ協会公認「サウナ大使」という偉いお方。ですが、普段から裸の付き合いのなかで、素の自分をさらけ出している友達なんです。

そんなカツキさんとの対談風景を撮影してくれたのは、同じくサウナ仲間であるイケちゃんこと写真家の池田晶紀さん。さて、どんな話になるんでしょうか。。。。

 

タナカカツキ(マンガ家) 

1966年大阪うまれ。著書には『オッス!トン子ちゃん』『サ道』『バカドリル』『水草水槽のせかい』など。

その他映像作品等も多数手がけ、アーティスト、アートディレクターとして幅広いジャンルで活躍。

近年大人気のカプセルトイ「コップのフチ子」の生みの親でもある。

http://kaerucafe.com/ka2ki/

 

1. なんで弁護士になったの?

長家:どーも、こんにちは。

今日はお忙しいところありがとうございます。

よろしくお願いします。

 

 

タナカ:こちらこそよろしくお願いします。

でも、なんか服を着てるって変なカンジですね。

だいたいいつもサウナで会いますからね(笑)

 

早速ですが、トントン先生はいつ弁護士になろうとか

そういうきっかけってあったんですか?

(注:トントン先生=長家のニックネーム)

 

 

長家:これ、みんなに言ってるんですけど、

弁護士になりたいって思ったことは一度もないんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タナカ:え、そうなんですか?

 

 

長家:ぼくは灘中・灘高出身なんですけど…

 

 

タナカ:灘中、灘高なんですか!?

それ人類で1番頭いいじゃないですか!

 

 

長家:いやいや(笑)

 

 

タナカ:前に、灘中・灘高の試験問題集を、試しにやってみたら

ひとつも意味がわからなかった(笑)

 

 

長家:ははははは。

 

 

タナカ:全部日本語やのに、いっさい入ってこないって

すごいっ!って思ったことがあります。

 

 

長家:いやいや、それで灘出て東大落ちたわけですよ。

 

 

タナカ:はいはい。

…だいたい東大に入るためのね

 

 

長家:うん。そこらじゅうに東大行くやつがいっぱいいる。

ほんで、一浪してやっぱり落ちたんです。

 

 

タナカ:受験勉強されたんですか?

一応予備校とか通って。

 

 

長家:そうそうそう。

 

 

タナカ:じゃあけっこうがっつり東大いこうぜって

やってたんですね。

 

 

長家:まあまあ…そこはあんまり足りなかったかもしれないけど、そう。

それで東大落ちて早稲田にいっちゃったんですよ。

 

 

タナカ:早稲田いっちゃったって!!

 

 

長家:もう人生終わったって思いました。

もう俺はもう一生東大にはいけないんだって。

この先は、もう敗戦処理だと…

人生の敗戦処理をやるしかないんだと。

 

 

タナカ:ああ、もうこの後は、綺麗に土持って帰るだけみたいな。

 

 

長家:途方にくれてたわけですよ。

その時に司法試験っていう試験があるらしいって話になって。

実は早稲田って言うのは、司法試験にいっぱい受かるらしいと

その時初めて知ったんですよ。

 

 

タナカ:ふーん。

 

 

長家:じゃあ、東大より難しい試験に受かってリベンジするしかないと。

で司法試験を受けだしたんですよ。

 

 

タナカ:え、何年生の時ですか?それ。

 

 

長家:まあ大学一年生に入ったときに

やろうと思ったんだけど。

 

 

タナカ:もうやろうとしてんですか?

普通キャンパスライフを謳歌しようとしますよね?

 

 

長家:だって打ちひしがれてるんだもの。

人生終わりになってるわけだから。

 

 

タナカ:うわ、すごいですね

 

 

長家:ははははは。

難しい試験に受かりたかっただけなんですよ。

でも受からなくて大変だったんだけど

31才で受かったのかな。

 

 

タナカ:へー、じゃあずーっと受かるためにやってるわけですよね?

 

 

長家:そうそうそう。

 

 

タナカ:じゃあ勉強マンじゃないですか、もう。

 

 

長家:まあね、でもそんなに勉強ってできないですけどね。

 

 

タナカ:そうですよね?しんどいですよね?

 

 

長家:よく言われてたんだけど、2~3年ですよ。

せいぜい集中してできるのは。

あとはもう試験だから、タイミングで受かるしかないんですよ。

なんか受かるタイミングを逃しちゃうと長くかかっちゃうんですよ。

 

 

タナカ:なんか、タイミングが合うんですね。

周期みたいなんがね。

 

 

長家:そうそう。たぶんそんな感じなんですよ。

だから、難しい試験に受かりたかっただけだから

弁護士になりたいって思ったわけじゃないんですよ。

 

 

タナカ:そこでちょっとなんか疑問に思ったことってないんですか?

「俺はなんでこんな難しい試験を受けたいんだろう」とか。

 

 

長家:はははは。

 

 

タナカ:なんかちょっと自分とかを振り返ったりするでしょ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長家:するする。

 

 

タナカ:思春期とかあるいは青年期に。

なんのために生きるかとかね。

いろいろそういう哲学的になったりしますよね?

ほんで、「俺は難しい試験を受けるだけの生き物や!」と

 

 

長家:ちゅうかね、それを乗り越えないと何も始まらないみたいな感じ。

 

 

タナカ:すごいですね。

 

 

長家:とにかくそこを乗り越えないと

次のこと考えられないみたいな感じだったの。

 

 

タナカ:でも多くの人はそんなところ乗り越えようとしてないですよね?

それはどう思ってたんやろ?

 

 

長家:ていうか性格的にね、目標設定しちゃうんだよね。

 

 

タナカ:自分で決めた目標だから。

 

 

長家:そうそう。

 

 

タナカ:自分に勝つみたいな?

 

 

長家:そうそう、そんな感じ。

ここを乗り越えないと自分はダメなんだっていうふうに

凝り固まっちゃってた。

受かってから、裁判官か検事が弁護士かを選ぶんだけど、

もう30すぎてたから、役人ていうのは早くなんないと

偉くなれないから。

 

 

タナカ:そうなんですか?

 

 

長家:何年目とかで、出世していくから

今さら公務員なったってしょうがないからね。

じゃあ弁護士ですねって。

 

 

タナカ:じゃあかなり消去法で。

 

 

長家:もう消去法でなったようなもの。そのものですよ。

だから弁護士になりたいなんて一度も思ったことない。

 

 

タナカ:じゃあ今もまだ敗戦処理をし続けてる?

 

 

長家:ははは。いやいやいや、それはない!

それはね、なんか終わったんだよね。

 

 

タナカ:弁護士になってからそれなりのこの仕事の大変さとか尊さとかね、

社会的な役割とかいろいろそういう価値がついてきますよね?

 

 

長家:うんうん。

 

 

タナカ:今はちょっとこう少しは誇りを持たれて

お仕事されてるんですよね?

 

 

長家:ははははは。

 

 

タナカ:そうあってほしい!お願いやから!  続きを読む >>

 

 

 

 

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